■CREのニュースが続きました
「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)が検出されたというニュースを続けて目にしました。
7月19日 愛知県瀬戸市の公立病院で患者11人から「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)が検出されたと発表。
7月5日 ブラジルの研究者がリオデジャネイロの海岸のビーチで採取した海水から「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)が検出されていたことを明らかにした。
特に オリンピックでセーリング競技の舞台となるグアナバラ湾に面したフラメンゴとボタフォゴのビーチでも「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)が検出されたというので心配です。
■恐ろしい異名をもつ「耐性菌」
そこで「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」(CRE)を調べてみました。
CREというのは、「Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceae」の略で、抗菌薬に対し耐性を獲得した「抗生物質」が効かない、肺炎桿菌や大腸菌、腸内細菌科に属する細菌のことです。
名前の通り「CRE」は「カルバペネム」に耐性を示す腸内細菌科細菌 で、記事によって「新型耐性菌」「スーパー耐性菌」「悪夢の耐性菌」と恐ろしい異名で紹介されています。
特に「悪夢の耐性菌」という名前で警告するのが 米国疾病対策予防センター(CDC)です。 年間約170万人が病院内で感染し、9万9千人が亡くなっているとアメリカ国内のマスコミで大きな話題として取り上げられています。
日本でも2014年9月から医療機関に報告が義務付けられ、国立感染症研究所がまとめた調査結果によると、感染者数は2014年9月から1年間で1321人に上るそうです。
( 死亡者数ではありません)
■抗生物質を薬局で買える国もある
CREの種類や増加の仕方は各国の医療事情や衛生環境によっても違いがあります。
日本では処方箋なしで抗生物質をは使用することはできませんが、薬局で自由に購入できる国もあり、それらの国では大量に抗生物質を使用するため 耐性菌が広がり易いと考えられます。
■「カルバペネム系抗菌薬」が良く効き過ぎる弊害?
実はこの「カルバペネム系抗菌薬」は抗生物質の中でも「最後の切り札」的な存在で「あらゆる細菌」に対して効果があるのだそうです。
その作用は「効かない細菌」を数える方が早いほどで、本来 感染症が起こった場合 原因菌を特定して投薬するべきところ「カルバペネム系抗生物質」を乱用しがちなのだそうです。
■感染したらどうなるのか
一番 気になるところは大丈夫です。健康な人は感染しても発症しません。ただ免疫力が低下した高齢者や、患者が感染すると、敗血症や多臓器不全を引き起こすこともあります。
敗血症などを発症した場合の致死率は最大で50%にも達するそうです。
やっぱり怖いですね。
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■個人的反省
正直言うと 家族が風邪気味な時には
「市販の薬なんか飲んでないで、病院で抗生物質を処方してもらえば廉いしすぐ治る」
などと言っていましたので 今回大いに反省します。
記事によると ほとんどの風邪はウイルス疾患で抗生物質は不要で、安易に抗生物質を飲むことは、自らの体内で耐性菌を生み出すようなものだそうです う~ん。
■ところで リオ五輪
最初の リオデジャネイロの海岸で「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」( CRE )が検出されたというニュースでは ドイツのパラリンピックのセーリング選手が現地で練習中に重度の皮膚感染症を起こしていて、選手も不安を募らせている と報じていました。
オリンピック競技では セーリング競技のほかに「トライアスロン」は海で泳ぎますし、カヌー競技、ボート競技は湖 で行われます。
頻繁に取りざたされる「ジカ熱」と併せて選手たちの健康面が心配です。